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ザ・スーパー・ポップ宣言

フリーソウル推薦3

フリーソウルコンピ未収録推薦曲(3)

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フリーソウルコンピ未収録推薦曲@YOU TUBE

CAFE APRES-MIDI ベスト10


【 ポップ偏差値 65

BLOSSOM DEALIE / JUST THE WAY YOU ARE '83 「SIMPLY VOLUME 6」収録

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当ブログで取り上げてきた世界に誇れる日本産のスウィート・ロリータ・ヴォイスというと「COCO / はんぶん不思議」における三浦理恵子、「恋するベッキー」の藩恵子、「BIN・KANルージュ」の太田貴子、「らずべりー」のKOTOKO、「ぱすてるDAYS」の榊原ゆい等々があります。それぞれが個性的で実に魅力ある甘い歌声を聴かせてくれますが、海外に耳を傾けてみると、これらに負けず劣らずのスウィート・ロリータ・ヴォイスの持ち主がいます。それがこのブロッサム・ディアリー。1952年頃から長らくジャズ・ヴォーカリストと活躍してきた彼女ですが、いわゆるスタンダード・ジャズ以外にもポップス的に美味しい幾つかの作品を残しています。

このBILLY JOELのヒット曲のカバーはそんな彼女の甘く可愛らしい歌声を思う存分堪能できるポピュラリティのある一曲。ポップス好きなら皆が大好きな、なだらかで品の有る良く出来たメロディをあっさり淡白なボサノバ風にアレンジにした曲です。優しくソフトで幻想的なエレピの音色も隠し味的に効果的で、そんなサウンドをバックに彼女が可愛らしく、しっとりと柔らかーく歌い上げる内容は原曲とはかなり異なる風合いで魅力的ですねえ。唱法も素晴らしいのですが、彼女の場合は声の響きそのものが素晴らしく、これは天性のもので真似しようとしても決して真似出来ないもの。自然に出てくる声の持つ魅力という意味においては先に挙げた日本人女性歌手達を完全に凌駕していると言えるでしょう。その点ではビロードの歌声と言われるスウィートソウルの巨人DELFONICSのWILLIAM HARTに近いものがありますね。

J.O.B. ORQUESTRA / CAN'T FIND THE WAY '78

J.O.B.ORqueSTRA.jpg

「OPEN THE DOORS TO YOUR HEART」収録。アップテンポで明るく元気で歯切れの良い擬似フィリー・ダンサー。男女のツインリードで爽快で流暢なメロディに載せて気持ち良さそうに歌います。ストリングスの音色も秀逸で全体としてかなりキャッチーな出来。シングル・ヒットしていても不思議ではないけど、エンディングに入る「ハレー・クリシュナ」のフレーズに萎えー。「桑江知子 / 永遠の朝」で似たフレーズが出てきます。

ELKIN & NELSON / SAMBA SAMBA '74 「ELKIN & NELSON」収録 (「FREE SOUL 2001」P.85掲載)

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スペインのフォーク・デュオらしいです。延々鳴りまくるアコースティック・ギターに明るく乾いた陽性なヴォーカルとラテン的パーカッションが心地よく響きます。ドラム・ビートが無いにもかかわらず、爽快な疾走感とグルーヴを感じさせるところは素晴らしいですね。このリズムが(ブラジルの)サンバかどうかはともかく、少ない楽器構成でインスト主体の楽曲だし、加えてライブ録音ならではの臨場感、音の拡がりがあるので大音量で鳴らすとかなり気持ちイイです。そういう意味ではレゲエファンやラテンファンにも馴染みやすいでしょうしフリーソウル・ファン向けのクラブならば相当盛り上がりそう。

収録時間も7分50秒と長くたっぷりと堪能出来るのもいい。尚、小沢健二のローラースケート・パークの元ネタとの声も聞きますが、ベースラインは別ものでイントロのギターのカッティングが似てるかなあという程度です。

短いですがこのページで試聴出来ます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(音の拡がり)ポップ偏差値合計
87788697565


【 ポップ偏差値 64

CAROL DOUGLAS / SO YOU WIN AGAIN '78 「Burnin'」



1977年のイギリスの白黒混合バンドHOT CHOCOLATEによるヒット曲の女性ディスコ歌手によるカバー。1978年のアルバム「Burnin'」収録。オリジナルはアメリカでは大ヒットしておらず知名度は低そうですがイギリスでは1位のヒットとなっており、派手さはないものの憂いを帯びた物悲しいメロディがキャッチーでなかなか心に染み入る曲。サビの一部など男性の合唱スタイルで歌われる箇所が勇ましさの中にも優しさを感じさせます。キャロル・ダグラスはフリーソウルコンピに「I WANT TO STAY WHITH YOU」と「DANCING QUEEN」が収録されるなどディスコ系歌手として持て囃される感がありますが、本曲ではしっとりと歌われることによりソウル歌手としても本領発揮という感じ。Michael Zagerによるアレンジはオリジナル以上に垢ぬけた雰囲気でフィリーソウルっぽい品の良さに好感が持てます。軽やかなリズムに爽やかな女性ソロということで将にフリーソウルコンピ収録にうってつけと感じますが残念ながら未収録。このイントロを聴いて痺れないフリーソウルファンはいないであろう名曲です。

「YOU TUBE」で聴けます。

HOT CHOCOLATE / So You Win Again

Ray Conniff / ANOTHER SOMEBODY DONE SOMEBODY WRONG SONG '75



レイコニフの1975年の同名タイトルアルバム収録曲。レイコニフは女性12人、男性13人もの大編成な男女混声コーラスグループであるRay Conniff And The Singersのバンドマスター(指揮者)。主に1960年代から1980年代にかけてソロ名義、シンガーズ名義合わせて100枚以上ものアルバムをリリースしています。ジャンル的にはイージーリスニングといった感じでポップス界隈では軽視されてますね。アルバム収録曲もヒット曲のカバー中心だし、山下達郎SSBではこれまでただの1曲もオンエアされていないことがその証左とも言えるでしょう。尖った、派手な音楽ばかり聴いてきたので個人的にも完全に盲点になっていましたが、secondhandsongs.comで自分の好きな曲の面白いカバーはないかと探し回っているとやたら目につき、幾つか聴いているうちに、彼らの男女混声コーラスの魅力に嵌ってしまった次第。

曲は75年のB.J.Thomasのヒット・カバー。オリジナルは情感深いメロディの素晴らしい曲だけど、男性ヴォーカルのみが目立ち、いたって素朴な味わい。それに対しレイコニフ版は透明感と奥行のある男性コーラス、爽やかで軽やかな女性コーラスが複合的に絡み合い、実に心地よい立体的で奥深い音世界が構築されている。当然だけど、声質・唱法とも魅力的な歌手ばかり集められているのでそれが大人数編成となり、曲の魅力を引き立てるコーラスアレンジを施せば、オリジナルを凌駕する曲が出来ないはずがないですよね。「ソロでこそ魅力が発揮される曲があれば、一方で大編成な男女混声コーラスであればこそ一層輝きを増す曲もある」ということを彼らの多くの良曲を聴いて実感しました。

「YOU TUBE」で聴けます。「YOU TUBE」(録音風景)

他のお勧め曲もあわせてどうぞ。
Ray Conniff / You Are the Sunshine of My Life
RAY CONNIFF / Alone Again (Naturally)
Ray Conniff / TIE A YELLOW RIBBON ROUND OLE OAK TREE
RAY CONNIFF / TOP OF THE WORLD
Ray Conniff / Young Love
Ray Conniff / MAKING OUR DREAMS COME TRUE


カバー200曲聴いてみた Samba de Orfeu / Paul Smith With Ray Brown And Louis Bellson サンバ・デ・オルフェ(オルフェのサンバ)



黒人系のオルフェという男性が主人公の1959年の恋愛映画「黒いオルフェ」の挿入歌(主題歌ではない)。映画では後半子供達が歌って踊る曲として使われています。作曲はブラジルのギタリストのルイス・ボンファ。後にジャズやボサノバ、イージーリスニングなど実に数多くのカバーが作られ今やスタンダードとして馴染まれてる有名なインスト曲ですね。情緒的でどこか物悲しく品のあるメロディが特徴的。SPOTIFYで検索すると200以上該当曲があって驚きますが、一通り聴いてみたのでポップでお勧めな曲を挙げてみます。

映画でのシーン
黒いオルフェ

オリジナル・サントラ版
António Jobim

【偏差値64】
ジャズピアノトリオによる高速でグルーヴィな演奏。79年のアルバム「Paul Smith With Ray Brown And Louis Bellson」収録。
Paul Smith Trio

【偏差値63】
サックス奏者による明るく元気で溌剌とした内容。品のあるストリングスやヴァイブの軽やかな音色も好み。
BILL PERKINS

【偏差値62】
テンポアップしたラテン風ジャズピアノ版。
OSCAR PETERSON

【偏差値62】
御存じヴィブラフォン奏者カル・ジェイダーによる上品なサウンド。
Cal Tjader

【偏差値62】
御存じオルガン奏者ウォルター・ワンダーレイによるボサノバ風味。
WALTER WANDERLEY

【偏差値61】
サックス奏者による高速で軽快なライブ版。
Richie Cole

【偏差値61】
トロンボーン奏者によるボサノバ風味。
BOB BROOKMEYER

【偏差値60】
日本人ジャズグループによるかなり高速なカバー。速過ぎるかも。
TOHRU AIZAWA QUARTET

【偏差値60】
2008年のスマートな高速ジャズライブ。正体不明だけど日本人グループかな?
THREE DOGS

【偏差値60】
マリンバ(木琴)による和やかなカバー。
BAJA MARIMBA BAND

JUPITER PROJECT / YOU DON'T HAVE TO BE A STAR 「THE VINTAGE WORKS」'93 (東芝EMI TOCP-7750)収録

JUPITER VINTAGE.jpg

当ブログで既に「MY MISTAKE (WAS TO LOVE YOU)」「SILENT EVE」「COULD IT BE I'M FALLING IN LOVE」の3曲も取り上げている日本のクラブ/ハウス系ユニットのジュピター・プロジェクト。アルバム「THE VINTAGE WORKS」収録のこの曲は元フィフスディメンションの二人、MARILYN MCCOO & BILLY DAVIS JR.による77年のヒット曲のカバー。オリジナル同様に男女デュオ仕立てになっています。元曲はちょっと牧歌的でのんびりムードの和み系って感じだけど、ジュピター・プロジェクトは少しテンポアップしたクラブ/ハウス系アレンジ。男性ヴォーカルも迫力が増し、サウンドもオリジナルの風合いを損なうことなく適度に洗練された内容。個人的にハウス系はメロディ的に魅力薄に感じることが多いんだけど、こうしたソウルヒットとなら相性はいい気がしますね。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(高揚感)ポップ偏差値合計
77877878564


Tyrone Davis / I Just Can't Keep On Going '80 「I Just Can't Keep On Going」



80年の同名タイトルのアルバム収録曲。U.S.BDGではこのアルバムは「やや甘さが過ぎる」と僅かにコメントされるに止まっていて当該曲そのものへのコメントは無い。基本的に洗練されたシカゴ・サウンドにサザン・ソウル系な歌いまわしが載った曲。暗めで荘厳な雰囲気のイントロはその後の展開に全くそぐわないのはご愛嬌。すぐ気を取り直して展開される軽快で爽やかなサウンドは70年代ソウルの澄んだ青空感が満喫できるソレ。明るく楽しそうにうねるベースや爽やかな女性コーラス、そして全編通してコココーンと響き続ける木琴のような音が心地よい。ほのかに甘いサビメロディの単調とも言える繰り返しも、その出来の良さから全く飽きさせない。フリーソウルファンに受けそうな内容で、この時代だからこそ生まれた名曲と言えるでしょう。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(爽やかさ)ポップ偏差値合計
76966889564


BERNARD PRETTY PURDIE / CARAVAN '68「SOUL DRUMS」



Mills DavisやJames Brownなどのバックでセッション・ドラマーとして活躍していたバーナード・"プリティ"・パーディの1STソロアルバム収録曲。近年ヒップホップやレアグルーヴといった界隈で人気を博し再評価されてきているようですね。この曲もドラマーのソロアルバムの収録曲ということで、当時はほとんど陽の目を見なかったんじゃないかな。年代的にも68年ですので現代のように成熟した聴き手も少なく、そのあまりにも濃いグルーヴから『早過ぎた』音楽だったのではないかなという印象。

曲はドラムス中心のインスト曲。スピード感のある黒くファンキーなトラック上でバーナードのドラムが縦横無尽に暴れまくります。途中からはベースやホーン陣が抜けて完全にドラムソロ仕様になるんだけど、いわゆるロックコンサートなどで行われる「ドラムソロのお披露目」とは異なり、曲としてのグルーヴ感を失うことなく演奏されているところが素晴らしい。力強くタイトに引き締まっていてスピーディかつグルーヴィー。緊迫感が終始継続していて全く飽きさせない点もイイね!

「YOU TUBE」で聴けます。こういうのは是非ライヴ・パフォーマンスも聴いてみたいけど、無いのかな?
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(グルーヴィ・ドラム)ポップ偏差値合計
78689687564


BARRY WHITE & LOVE UNLIMITED ORCHESTRA / LOVE'S THEME '73

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バリー・ホワイトによるラブ・アンリミテッド・オーケストラの73年の世界的大ヒット曲。ソウルというよりも、ポール・モーリアとかのイージー・リスニングの範疇で語られることが多そうだけれども、じっくり聞けばこれが単なるイージー・リスニングの範疇にとどまらない70年代ソウルの一つの傑作曲だということが分かるはず。もっとも私自身最初にラジオで聞いた時は「ああ、スーパーのBGMなんかでよくかかってるやつね、、、。」ぐらいの感想しかなかったんだけれども。

フィラデルフィア・ソウルに代表されるように70年代ソウルはストリングスを大幅に導入したりして、オーケストラとの相性の良さを具現化した。乾いた空気に、どこまでも澄んだ青空、明るい未来感などを表現するのに非常に効果的だったんですね。この曲はインスト・サウンドだけれども、オーケストラ入りの70年代ソウルを代表する曲と言える傑作です。そして他のイージー・リスニングのヒット曲との大きな違いは、そこに軽やかな黒いグルーヴを感じさせるところでしょう。フリーソウルで言うと、ジョニー・ブリストル辺りのサウンドが好きな人オススメ。「スーパーのBGM(笑)。」とか馬鹿にして真面目に聞いてない人も多いと思うけど、じっくり向かい合って堪能して欲しいところ。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(オーケストラ)ポップ偏差値合計
76967897564


5TH DIMENSION / AQUARIUS '69



男性3名、女性2名の黒人混成グループ・フィフス・ディメンションの69年のビルボード年間チャート第二位のヒット曲。フリーソウル的雰囲気を持った曲だけどコンピ未収録。みずがめ座や太陽系の惑星などが歌詞にちりばめられている宇宙ネタものだけど、これは同年、人類史上初の月面着陸がアポロ11号によって成し遂げられた宇宙ブームに便乗した曲とも言えそう。こうしたテーマの曲が21世紀の現代に再度登場するか?といったらちょっと有り得そうもない。まだまだ宇宙が謎に包まれていた「幸せな時代」だからこそ生まれた名曲ということも出来そうですね。

曲はそんな深淵なる宇宙への憧憬と畏怖を感じさせ、未知だからこそ創造されたであろうミステリアスな雰囲気をもったメロディ、曲調が素晴らしい。宇宙的空間の拡がり、壮大さを感じさせるアレンジも非常に独創性が高くこの時代が生んだ大傑作ですね。男女5人が絶妙に絡み合うコーラスワークも見事。少し不満を挙げるとこの曲自体は2分30秒ほどしかなく、後半に「LET THE SUNSHINE IN」という別曲とのメドレー形式になってしまっていること。せめて3分半ぐらいでしっかりじっくりと完結して欲しかったんだけどねえ。だれかカバー曲作ってくれないかな?

「YOU TUBE」でPVが見れます。スタジオ・ライブも見ごたえあり。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(宇宙感)ポップ偏差値合計
68867978564


SIR JOHN ROBERTS (f.SANDRA FEVA)/ DO YOU BELIEVE IN FATE '79 「SOPHISTICATED FUNK ORCHESTRA」



ソウルファンの間ではほとんど話題に上らないSIR JOHN ROBERTSなる人物の、おそらく唯一のアルバム「SOPHISTICATED FUNK ORCHESTRA」収録曲。ヴォーカルはSANDRA FEVAなる女性歌手。曲はゆったりとしたリズムに幻想的な雰囲気が漂う不思議な魅力をもったもの。暗い曲調だけど静かなグルーヴと良く出来たメロディが調和した素晴らしい曲ですね。甘い語りを交えて「運命を信じますか?」なんて歌ってますので基本的にはラブソングなのでしょうけどミステリアスなムード満点で、ある種オカルト的な雰囲気すら感じさせます。人知れず営業している秘密のクラブなんかでかかっていたらかなりいい感じかも。

ところでこの曲(79年)はなんと「吉田美奈子 / 朝は君に」(76年)とイントロ部分が非常によく似てるんですよね。SIR JOHN ROBERTSが吉田美奈子を聴いて作ったんでしょうかねえ?

「YOU TUBE」で聴けます。

SLY AND ROBBIE / MILES(BLACK SATIN) '85 「LANGUAGE BARRIER」



ジャマイカ出身のドラムとベースの二人からなるリズム・チーム、スライ&ロビーの85年のファンク/ヒップホップ系のアルバム収録曲。既に当ブログで紹介してきた幾多のレゲエの楽曲の制作に携わっているのは言うまでもなく、レゲエ以外にも数多くのアーチストのリズム制作に関わり、その数は一説には20万曲以上というのだから間違いなく世界一レベルの多さということになるでしょう。量は言うに及ばず、その質においても「BLACK UHURU / SPONJI REGGAE」をはじめ数多くの革新的リズムを生み出してきた功績はあまりにも偉大。彼らを聴かずして黒人音楽のリズムを語るべからずって感じですね。

そんな彼等のこの曲はモダン・ジャズの帝王MILES DAVISの「BLACK SATIN」をファンク調にカバーしたジャズ・ファンク。原曲をより現代風に、キャッチーに、そしてよりグルーヴィーに味付けした内容はオリジナルを凌駕した素晴らしい内容。クールなメロディに熱いリズム、その疾走感と洗練された雰囲気は、「BILLY GRIFFIN / BELIEVE IT OR NOT」と同様、深夜の高速道路のナトリウム灯の冷たい輝きが実に良く似合う。(その昔、実際にこの曲をその状況でBGMに使っていた深夜番組があった。)

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(熱いグルーヴ)ポップ偏差値合計
666810797564


STEREO ACTION UNLIMITED / HI FI TRUMPET '99

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1999年にフランスの「¡YA BASTA!」というレーベルから出た軽快なボサノバ・タッチのインスト曲。ステレオだのハイファイだのと、古き時代の高級音楽機器をイメージさせるタイトルに趣がありますね。フランス産ということで実に洗練されたお洒落な雰囲気に包まれたナンバー。パパパ・コーラスやハーブ・アルパートを意識したかのようなソフト・ロック調のトランペットの響きが60年代っぽさを醸しています。とはいえボサノバ風の歯切れの良いリズムはスピード感があり、アレンジもポップな仕上がりなのでレトロ感覚と現代風お洒落感覚がうまくマッチした曲という感じ。どこか大人びたメロディは濃密な甘さとノスタルジーを感じさせ、ヴィブラフォンの軽やかでヒヤリとした音色は高級感の演出に一役買っていますね。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(お洒落ボサノバ)ポップ偏差値合計
76777997564


平山三紀 / 熟れた果実 '74 筒美京平作曲編曲

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筒美京平のフィリーマジック。高揚感たっぷりのストリングスが70年代の高く青い空を見事に描いている。他にも出だしの低音の迫力ある振幅感などバックサウンドの表現力は実に豊かでお見事。声質はダミ声だしアダルトな感じがアイドルポップをご所望の方には不向きかも知れないが、ソウル/R&B系など本格志向ボーカルがお好きな方などにはオススメです。ところでフィリーと言ってはみたものの、実際のところ誰の何て曲に似てるのかさっぱり検討つかないんだけど、元ネタなど分かる方いらっしゃいます?
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽フェロモンボーナス(筒美フィリー)ポップ偏差値合計
77968796564


FOUR BELOW ZERO / MY BABY'S GOT E.S.P. '76 (ROULETTE)(「FREE SOUL 2001」P.78掲載)
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『FREE SOUL TRAVEL』収録曲だが、そこでは収録時間が3分29秒と短い。実際の12"VERSIONは5分24秒と長く、後半が延々インスト状態のディスコミックスとなっていて、こちらの方がずっと良い。フリーソウル収録版は歌が濃くクドく、モダンソウルなどの好きなよほどのマニアックなソウルファンしか嗜むことはないだろう内容だ。実は私もフリーソウル版を先に聴いていたのだが、ソウル好きを自称していてもちょっと煩いな、と辟易していた。それがこの12"VERSIONはどうだ、インスト部分に入ってから妙にパトリックアダムス製のダンスサウンドがグイグイと際立って前面に押し寄せてくる。一本調子のフレーズの繰り返しではあるのだが、その躍動感はフリーソウル版では全く感じられなかったものだ。橋本徹氏が短いバージョンを収録してしまったのは大失態といえよう。フリーソウル版を聴いていまいち好きになれなかったディスコ/モダンダンサー好きの方には是非もう一度この曲に汚名挽回のチャンスを与えてあげて欲しい。

12"EPはちょっと値が張るようだが『ROULETTE DISCO / GET UP AND MOVE YOUR BODY』というルーレットレコードの傑作コンピCDにこのバージョンが収録されていて容易に入手可能。このコンピは現在、HMVで激安で買えるようですが、Touch And Go - Ecstasy, Passion & Pain 、 Like Her! - Gentlemen & Their Lady 、I Got Your Love - Stratavarious 、You've Got The Power - Camouflage などの偏差値65クラスのスマートで強烈なディスコサウンドが沢山ロングミックスで楽しめとってもお徳でオススメです。フリーソウルファン必携!
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(バージョン格差)ポップ偏差値合計
66879797564


TRELLINI / I WANNA BE YOURS '94 (LUKEN 480-1)
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甘茶ソウル百科事典BILLY'S SELLECT 088。70年代ソウルは好きだけど90年代以降の所謂R&Bといわれる黒人音楽がまるで苦手な私ですが、この曲のように70年代ソウルのトラックを使用した曲なら話は別です。トラックは皆大好きな「DELEGATION / OH HONEY」。全体にエコーがかかったような出だし、そのベースの重量感、ピコピコシンセの浮遊感、鈴の音の響きなどによる音の広がり感はちょっとナイアガラファンにもいいかもしれないですネ。90年代であるにもかかわらず暗さや湿り気をほとんど感じさせないメロディや素直な発声にも好感が持てとても和める内容です。R&Bというよりは一般チャートでこそヒットしたのではないか?と思わせるポップさとバランス感覚を持ち合わせています。FREE SOUL 2001やコンピ等で紹介されてないので取り上げました。他のOH HONEYネタの曲は「OH HONEYトラックを7曲」でも取り上げています。その他にもオススメな曲がありましたら是非教えて下さい。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(OH HONEYネタ)ポップ偏差値合計
66858998564


TAVARES / DON'T TAKE AWAY THE MUSIC '76 「SKY HIGH (CAPITOL 11533)」収録
TAVARES DONT TAKE 618 CAPITOL SPRO-8500.jpg TAVARES SKY HIGH.jpg TAVARES 76.jpg
U.S.BDG336。「山下達郎 / LOVELAND, ISLAND」の大ネタ元となった曲は一体何なのかと考えるようになってから先日ふと耳にして「もしかしてこれ?」と思ったのがタヴァレスのこの曲。76年の華麗なフィリーダンサー風サウンドで、明るく乾いた雰囲気やテンションの高さなどが共通項。サビのメロディも若干似た感じがするし出だしにハープが入ったりするところも一緒。同じアルバム収録の「HEAVEN MUST BE MISSING AN ANGEL」にもハープ風音色が聴こえるからやはりこのアルバムのこの2曲からの影響が強いのかと思ってしまうのだがどうでしょうか。それにしても達郎版のギターのトロピカルな感じは全くないので、それはそれでどこに元ネタがあるのか気になってしまう。(今度濃い達郎ファンの集まる場所に行って尋ねてこようと思うんですが、どこか適当な場所教えて下さい。)画像は76年の来日ステージの模様。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(フィリー風ダンサー)ポップ偏差値合計
78878787464


YOUNG HEARTS / IF '77 「ALL ABOUT LOVE」収録

YOUNGHEARTS.jpg

稀代の名ソングライターDAVID GATES率いる白人グループBREADのヒット曲のカバー。如何にも白人S&WっぽいBREAD版のヴォーカルも流石の味わいで日本でもTVドラマの主題歌として使われるなどの大人気曲。日本人の琴線に大いに触れる感動のバラード系メロディですね。

この70年代のコーラスグループ、ヤングハーツによるソウル・カバーはリードがハイテナー/ファルセットで独自解釈のコーラスも入るので、原曲とは違った味わいがあります。甘茶ソウル・ファンにはメロディが少しポピュラー過ぎるかも知れませんが、上質なメロディから個人的には十ニ分に楽しめる内容。

実はこのカバー、7分10秒もの長いもので前半の4分は原曲に比較的忠実な静かなバラード仕立てなのですが、後半の3分は大胆にもアップテンポに迫ります。小刻みなギターカッティングが心地よく、適度なスピードの軽やかなノリはかなり聴き易く、白人ファン黒人ファン問わず万人受けしそう。

エンディング近くには「歌を歌わず止めてしまう」箇所があり、そこの部分はまるで「感情の昂ぶりの余り歌えなくなってしまった」かのような雰囲気があり実に感動的。クラブDJ諸氏におかれましては、後半部分だけをうまく繋げて使ってみてはいかがでしょうか。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(妙味あるカバー)ポップ偏差値合計
68887967564


【 ポップ偏差値 63

SNOWBOY / Casa Forte (Joe Claussell's Spiritual Life Samba Remix) '99 「The New Latinaires 2」



1985年以降ラテンジャズのパーカッショニストやDJなどとして活躍してきたスノーボーイのハウス系ラテンジャズ。本バージョンはヴォーカルはLiliana Chachian嬢でJoe ClaussellがREMIXを行っていて他にも幾つものバージョンが存在します。基本は憂いを帯びたメロディが印象的なハウスなんだけど、サンバ的パーカッションをふんだんに使用しているので、本来ハウスが好きではない私のような者にも十分楽しめる内容かと。情感深いメロディにヴォーカルということで歌ものとしての要素を備えているうえ、リズムもスピーディかつグルーヴィ。そしてクイーカやサンバホイッスルなどを時折交えた現代的なサンバ仕様であることが特徴的で、特に全編に渡って響き渡る力強いパーカッションが心地よい。スノーボーイはジャズダンスについての本も執筆しているほど研究熱心で、将に音楽オタクが様々なジャンルの美味しい要素をその豊富な知識と技量をもって結集させて出来上がったサウンドという感じで好印象。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(サンバ)ポップ偏差値合計
78788687463


MIXED FEELINGS / SHA LA LA '76



曲名みたいな名前のサウスカロライナ州のグループ「ミックスド・フィーリングス」の76年の作品。スピーディで軽やかなリズムにキュルキュルしたギターが鳴り響くトラックが印象的。歌い過ぎない男性リードに明るく爽やかな女性コーラスが全体を通して絡んでいく。この女性コーラスが抑揚を抑えながらもポップ感覚に溢れる味わいで曲を楽しい雰囲気にしている。単純明快な「シャララ」というサビもいいね。如何にもクラブ映えしそうな曲です。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(ポップ感覚)ポップ偏差値合計
87777778563


Curtis Mayfield / She Don't Let Nobody (But Me) '81 「Love Is The Place」



甘茶ソウル百科事典 MOONY'S SELLECT 064でも紹介されているカーティス・メイフィールドの81年のアルバム収録曲。この曲って橋本徹監修の「FREE SOUL THE CLASSIC OF Curtis Mayfield」には収録されていないんですよね。2枚組CDなのに何故だろうって疑問に思っちゃうぐらい出来の良い曲、かつ如何にもフリーソウルのイメージに近い曲なんじゃないでしょうか。明るいメロディに、爽やかで流麗なストリングス、乾いた軽快なリズムが素晴らしい曲。メロディもキャッチーなので、ある意味ソウルの名曲の一つとも言えると思うんだけど、カーティスのしゃがれた声質のせいか世界的大ヒットとまではいかなかったようですね。

93年にはレゲエの人気コンビChaka Demus And Pliresがカバーしてヒットさせましたが、若いリスナーにはこっちの方が有名かも。明るいメロディがレゲエに良くマッチしてるし、チャカデマスのノリの良いDJも決まってるぅー。

「YOU TUBE」で聴けます。Chaka Demus And Plires版はPVでどうぞ。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(爽快感)ポップ偏差値合計
76867978563


Cal Tjader / Shoshana '80「Gozame! Pero Ya...」収録



ラテン・ジャズのビブラフォン奏者カル・ジェイダーの80年のアルバム「Gozame! Pero Ya...」収録曲。Tjaderと綴ってジェイダーと読むようで個人的にツボな名前です。フリーソウル、CAFE APRES-MIDI関連では「TAMBU」、「CURTAIN CALL」、「FRESH AIR」辺りが有名で人気曲でしょうが、他にも幾つもいい曲がありますね。彼の良いところは、ジャズと言ってもラテン系ということで熱いグルーヴを感じさせるリズムにポップかつ冷ややかなメロディが載っているところ。ソウルなど黒人の持つ躍動感のあるリズムが好きな人の嗜好にも十二分に応えられる内容です。インストであるこの曲も例外ではなく、熱いグルーヴにクールなヴァイブが実に格好いい。コンガ含めたパーカッションを多数散りばめ、奥行きのある音空間が展開されているのも素晴らしいですね。

「YOU TUBE」で聴けます。ライヴ・バージョンもどうぞ。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(クールなグルーヴ)ポップ偏差値合計
66689797563


Wilson Williams / Faith Will Bring It Home '78 「Up The Downstairs」



U.S.BDG #417掲載のアルバム「Up The Downstairs」収録曲。然しながらU.S.BDGではこの曲に関するコメントは無し。その意味でも如何にもフリーソウルと呼ぶに相応しい曲と言えるでしょう(笑)。曲はジョニー・ブリストル系の爽快なソウル。70年代アメリカの青空と乾いた空気を感じさせてくれます。最初から最後まで鳴り響く「チュクン」という歯切れのよいギターの音色が乾燥感と爽快感を醸し出すのに大いに役立ってますね。爽やかで明るい女性コーラスに品のよいストリングス、そして穏やかで綺麗なサビのメロディラインがいいのです。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(チュクン)ポップ偏差値合計
76966888563


GYPSY KINGS / ALLEGRIA (LIVE VERSION)'92 「GYPSY KINGS LIVE」



フラメンコを基調としたフランスのポップ・バンドのライヴ・アルバム収録曲。キャッチーなヒット曲が有名な彼等だけど、このインスト曲を聴くとキャッチーさだけが取り得の一発屋ではなかったことが分かります。複数のスパニッシュ・ギターのアコースティックながらも厚みのあるサウンドは実に耳に心地よく、疾走感のあるサウンドにのって優雅に奏でられていくリードギターの調べは円やかで美しい。ラテン風味のパーカッシヴなドラムスやまるでスティールパンのような清涼感のあるキーボードの音色など多彩な器楽の数々により単なるインスト音楽とは思わせない華やかで素晴らしい音世界を築きあげてますね。このライブ・アルバムでは他にも同様に心地良いサウンドが満喫できてお薦めです。

「YOU TUBE」で聴けます。同曲のライブ・パフォーマンスの方も良い。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(厚み)ポップ偏差値合計
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UB40 / KING '80 「SIGNING OFF」収録



イギリスの白人黒人混成のレゲエ・バンドの1980年の1STアルバム収録曲。後に「RED RED WINE」や「CAN'T HELP FALLING IN LOVE」といったヒット曲を連発するメジャーなバンドだけど、このデビューアルバムはメジャー志向も薄く、適度な濃さと洗練さを併せ持った内容で、個人的には彼等の一番美味しかった時期と感じています。

インスト色の強いこの曲は、軽快なリズムと平和で和やかな雰囲気を感じさせるメロディに、空中遊泳でも楽しんでいるかのような心地良い浮遊感を感じさせるアレンジが特徴的。随所にエコーを効かせた奥行きのある音空間は実にポップかつ洗練された内容。このアルバムが発表された当初はあまりにもジャマイカの土埃にまみれたレゲエとかけ離れた内容に驚かされたものでした。

歌が少なく淡白な曲調からか飽きが来にくい所もいいですね。女性やレゲエの土着的な所が苦手な人の為のレゲエ入門用として、またフリーソウル・ファンなど黒人系の軽やかなグルーヴを好む人にお勧めです。

「YOU TUBE」で聴けます。12インチ版も有りますよ。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(浮遊感)ポップ偏差値合計
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COMMUNARDS / NEVER CAN SAY GOODBYE '87

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JACKSON 5による71年のヒット曲のカバー。と言うよりも、静かなバラードだったオリジナルをディスコ・アレンジしてカバーしたGLORIA GAYNOR版のカバーと言った方が正確でしょうね。グロリア版はフィリー風に華やかなホーン等で味付けされ、スピード、グルーヴ感にも優れた傑作で、将にディスコ時代の幕開けといった仕上り。

それから約13年後にイギリスのポップ・デュオのCOMMUNARDSがカバーしたのが本作。(コミュナーズはゲイ三人組グループのBronski Beatのリーダー、Jimmy Somervilleが作ったグループです。)基本的にはグロリア版に忠実なカバーですが、シンセ等によりエレクトロな味付けがなされ、所謂ユーロビートに近いノリかも。だから一聴すると軟弱で白っぽい印象を受けますが、そのポップな味付けはゲイならではの特異な感受性が活かされた味わい深い趣の有るもの。

また、リードはゲイらしく甘く柔らかなファルセット(裏声)で、グロリア版に無い不健康な妖艶さを加味。唱法もより陶酔感のある淫靡な雰囲気で、甘茶ソウルなどファルセット好きには堪らないでしょう。更に効果的に使用される「ノノノ、ノノノ、ノノノ、フゥー、フゥー」というブレイクビーツは、グロリア版では既に完成されていたけれども、より「フゥー、フゥー」を強調し昂揚感を増幅させていますネ。そのキャッチーさ故に「モーニング娘 / ザ☆ピ~ス!」とか、果ては「BABY POP / LOVE★DRIVIN'」なんかにも使われる人気のブレイクビーツとなっています。(他にもご存知でしたら教えて下さい。)

「YOU TUBE」で聴けます。このPVはダンスが楽しくていいんですよねー。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(ブレイクビーツ)ポップ偏差値合計
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CHARLES JOHNSON / NEVER HAD A LOVE SO GOOD '80(ALSTON 3751)

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所謂モダンソウルで80年の作品。アップテンポだけど憂いを帯びた、落ち着いた雰囲気を持つ上品なトラック。米系黒人の持つファンキーさ・泥臭さ・汗臭さを全く感じさせず、その体温の低い洗練された内容は如何にもモダンという言葉が似合いますね。

「ねばねばねば」という可愛らしいキャッチーな女性コーラスが、地味な曲調に華を持たせたのも特徴の一つ。更に出力30%の省エネ・モードといった感じに感情をうまく抑制したヴォーカルが素晴らしく、淡白な雰囲気のなかにあってもその表現力は実に豊かで味わい深い。何とも粋な作品です。「YOU TUBE」で聴けます。

クレイジーケンバンド / 長者町ブルース '98 「パンチ!パンチ!パンチ!」収録

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おそらくは現役の日本のソウル系バンド。他の作品を聴いても実に様々なジャンルの音楽をやっている感じでジャンル分けは難しい。そんな彼等のやるこの曲はスウィング?ジャズ・テイストのソウル。サウンドにはジャズの冷ややかなタッチ、軽快で引き締まったスピード感、熱いグルーヴが感じられる。メロディは情緒的でかなり濃い口、声質・歌はソウルっぽい。

タイトルで「ブルース」と謳っていることからも詩の内容は暗く重たい。「国籍不明のダンサー」、「バンドが始まれば喧嘩も始まる」、「長者町=ダークサイド横浜、地獄に一番近いヘブン」といった刺激的な言葉で横浜の喧騒な繁華街の夜を、昭和30年代/石原裕次郎的不良ムードいっぱいに表現している。曲を構成している様々な要素がうまく融合して素晴らしい作品になってますが、やはり危険な香りの漂うこの歌詞こそが一番の成功のポイントで魅力的。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(危険な香り)ポップ偏差値合計
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桑江知子 / 永遠の朝 '80 都倉俊一作曲 萩田光雄編曲

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出だしのゆっくりとした爽やかな朝の雰囲気は正統フィリー「M.F.S.B. / LOVE IS THE MESSAGE '74」似。そして途中からグッとテンポアップしていく展開はアイドルポップの範疇を超えとてもダイナミック。力強く華麗なダンスサウンドはまさにフィリーダンサーそのもので軽快でノリがいい。そして途中の間奏ではU.S.BDG高沢仁氏のレア皿コーナーで紹介されるほどのマニアックソウル「J.O.B. ORQUESTRA / CAN'T FIND THE WAY '78」似の景気のいいフレーズが入るとんでもない曲。爽快で小気味良いコーラスの入れ方などアレンジ面で光る作品で、歴戦のソウルファンをも唸らすであろう出来栄えだ。ポップな作品なのだがフェロモンが全く出てないのが惜しい。画像4はこの曲用の衣装で当時のファッション雑誌から。画像5はレコードコレクションを前にして。PETER TOSH , BOB MARLEY , TOOTS & THE MAYTALS / REGGAE GOT SOUL などが見え、レゲエ、ソウルが好きなことが伺える。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(フィリーダンサー)ポップ偏差値合計
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JUDY STREET / WHAT '77 (GRAPEVINE 106)

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所謂ノーザン・ダンサー。単調にスピードで押し切るのではなく抑制の効いた適度なスピードのリズムとヴァイブの冷ややかさが粋なナンバー。徐々に盛り上げていく序盤のメロディも爆発的なサビのメロディも共に良い。プロデュースはH.B.Barnum。「THE WIGAN CASINO STORY (GOLDMINE GSCD 51)」収録で当然日本のクラブでも盛り上がっていると思われる。

82年にNEW WAVEバンドSOFT CELLがカバーしてヒットしたので、日本の音楽ファンにもメロディは馴染みがあるはず。そちらもテクノな味付けですがメロディの良さも相まってなかなかポップな良い出来です。それに比べてオリジナルのアレンジはいまいち垢抜けないのですが、そこにこそ70年代ノーザン・ソウルの味・醍醐味があり、ソウルファンはそこに痺れる、憧れる。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(粋なグルーヴ)ポップ偏差値合計
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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(4)


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